洋風住宅に欠かせない暖炉!設置時に気をつけたいことは?
洋風のマイホームを持つ場合、暖炉を設置したいと考える人も多いことでしょう。おしゃれで風情があり、それでいてあたたかいのであればいいことしかないように思えます。しかし、暖炉を設置し使用するためには気を付けるべき点が多くあります。今回は、どんな注意点があるのかを見ていきましょう。あらかじめチェックすることが大事ですよ。
設置にも維持にも費用がかかる
まず大きな注意点として、暖炉の設置、そして維持には費用がかかる点が挙げられます。暖炉とは、レンガで囲われている部分に薪をくべ、その薪を燃やして暖を取るものです。
暖炉を設置する初期費用は約100万円ほどです。そして、燃やす薪にかかるランニングコストは、一冬で約15万円~30万円ほどとなっています。暖炉を使う期間が5か月と考えて、1か月3万円~6万円の計算です。エアコン、床暖房、電気ストーブなどの電気代と比べて、圧倒的に高いことがわかります。
また、薪の準備や保管にも苦労が隠れています。一冬15万円~30万円かかる薪の量は、3,000キロ~6,000キロ程度です。小分けにして買うのは高くつきますが、少ない保管場所の確保で済みます。
一方、木を自分で切って薪にする場合はその分安くつきますが、大きな保管場所が必要であり、薪を湿気させない工夫も必要となります。薪からは、木くずや虫が出るため、室内で保管する場合には注意が必要です。
そして、初期費用、薪費用に加え、メンテナンスなどの維持費もかかります。煙突の清掃が、1シーズンに2~3回必要です。この清掃を専門業者に依頼する場合、1回あたり約2万円かかることになります。
初期費用100万円、薪が15万円~30万円、メンテナンス費用が6万円、初年でこれぐらいは必要になると考えておきましょう。なるべく、掃除や薪割りなど、自分たちでできそうなことはやるようにすると費用は抑えられます。
暖炉を前提にした間取りを考えよう
暖炉を新居に設置する場合は、間取りを考える際に暖炉を前提にしましょう。暖炉は1台で家全体の暖房を兼ね備えるものなので、暖房効率も考えて間取りを組む必要があります。
暖炉は、エアコンなどのようにスイッチひとつで部屋をあたためることはできません。薪をくべて、火を点けてから家全体があたたまるまでに2~3時間はかかるものです。
暖炉から近い場所から順にあたたまっていくため、どこに暖炉を設置するかは重要なポイントです。そして、扉がないためペットやお子様がいる家庭では安全面にもとくに気を遣う必要があります。
また、せっかくのおしゃれな暖炉です。見映えするような場所に設置したいですね。早くあたたまってほしい場所、かつ見映えする場所として、リビング・ダイニング・キッチンに近い場所など、よく使用するところに設置したいものです。
しかし、暖炉は壁に沿って設置することしかできません。住んだときの過ごし方をよくイメージして、暖炉を含めた間取りを決めるようにしましょう。
煙突がなくても設置できる暖炉もある!
薪を燃料とする暖炉は、煙突から煙が発生します。周りに住宅があるような環境では、近隣住民の方への迷惑がかかってしまいます。しかし昨今では、薪を燃料とせず、煙突がなくても設置できるような暖炉が開発されています。
まず1つは、ガス式暖炉です。ファンを使って室内の空気を取り込み、ガスで温めた空気を室内へと送り出す仕組みです。ガス管の接続が必要となります。薪に火をつけるのとは違い、スイッチ一つで温めることが可能です。気になるランニングコストは、ガスファンヒーターと同程度なためリーズナブルに暖炉を楽しむことができます。
2つめは、液体変性エタノール式暖炉です。液体変性エタノールを燃料とし、燃やすと水と二酸化炭素にわかれます。そのため、加湿効果もあります。1時間あたりのランニングコストは180円ほどと、こちらもリーズナブルです。燃やしている間は無臭ですが、火が消えたあとは少しにおいが気になる可能性もあります。
3つめは、バイオエタノール式暖炉です。植物由来の液体燃料を使用し、電気やガスを使わずに、実際に炎が出るのを楽しむことができます。かなりスタイリッシュなデザインのものが多く、ランニングコストは1時間あたり110円~200円ほどです。
今紹介した3つの暖炉は、どれも二酸化炭素が発生するものなので、換気が必要となります。
そして最後に、電気式暖炉があります。火を使わずに、電気を使用するようです。実際に炎が出るわけではなく、電気で炎の動きを再現します。安いものでは1万円程度でも購入できるため、手軽に暖炉を楽しみたい人や安全に使用したい人には持ってこいです。
暖炉の設置には、いろいろと注意すべき点があることがわかりました。また、薪などの問題点を持たない、新たな燃料を使用する暖炉はランニングコストが安いこともあり視野にいれてみてもよいでしょう。それぞれのメリット、デメリットをよく知り、家庭にあった暖炉を選びましょう。