家を建てる時に絶対必要?地盤改良の必要性と費用について
家を新築する際に土地購入代と建築費用のほかに発生する可能性があるのが地盤改良工事です。しかし、これは本当に必要があるのでしょうか?この記事では地盤改良工事の必要性を説明するとともに、家の建て替え時にも地盤改良工事の必要性はあるのか、改良工事の種類はどのようなものがあるのか、費用はどのくらいかかるのかについて説明します。
地盤改良とは何のために行われるのか
地盤改良工事の必要性とはなんでしょう。地面をパッと見ただけではその内部に潜む危険性に気付ける人はまずいません。きちんと調査していなければ地盤沈下したり液状化したりと、せっかく家を建てたのに住みづらくなってしまいます。そのような危険を取り払うために、地盤改良工事が行われるのです。
■耐震性を高める
耐震性を高めるためにも地盤改良工事が行われます。たとえ最高ランクの耐震等級3で家を建てたとしても地面が軟弱であれば地震の揺れが伝わってしまい、耐震性の高い構造で家を建てた意味がなくなってしまいます。家の耐震性を高めるためにも、地盤改良工事が必要です。
■地盤沈下・液状化を防止する
地面の中に空気や水が多く含まれていれば、地震の揺れでそれが地表に流れ出て地面が低くなったり水があふれてドロドロになったりします。こうなれば家にも被害が出ることは明白です。
地盤沈下が起これば家自体が傾いて住むこと自体も困難になります。新しく立てた家を守るためにも、地盤調査を行い必要であれば改良工事を依頼しましょう。
建て替え時に地盤改良は必要なの?
もともと家が建っている土地を購入して建物を壊し新築住宅を建てるケースと、老朽化が激しい建物を建て替える2つのパターンが想定されますが、どちらも建て替えで変わりません。「もともと家が建っていた場所であればきちんと家が建っているし、地盤改良工事は必要ないのでは?」と思われがちですが、実はそうではありません。
■最近の住宅は全体の荷重が重いため必要
最近の新築住宅では耐震等級3で建築する地震に強い家がたくさんあります。さらに免震装置を付けている住宅もあり、地震対策はばっちりです。しかし、構造を強化すればするほど家全体の荷重は重くなります。重いものは重力に引っ張られます。
昔の建築方法で問題なく住宅を建てられた土地であっても、荷重が重くなった最近の新築住宅には耐えられない可能性もあります。以前住宅を建てていたからと安心するのではなく、きちんと地盤調査を行いましょう。
■以前の建物を建築する前に改良工事がされているか不明
あまりにも古い物件の場合、建築当時の資料が不足している場合もあります。そうすると適切な地盤調査や改良工事が行われたかどうかがわかりません。家の安全を確保するためにも、まずは地盤調査を行ってみましょう。地盤に問題がなければ工事の必要もありません。
地盤改良工事にはどんな方法があるの?
地盤改良工事の方法について知りたい方はこちらの章をご覧ください。地盤改良工事はいくつか種類がありますが、主に「柱状改良」「表層改良」「小口径鋼管杭工法」の3つがあります。それぞれの工法の特徴と効果について説明します。
■最も多い工法は「柱状改良」
最も多い地盤改良の工法は「柱上改良」です。地盤内部に柱のような固い部分を作り、その上に住宅を建てます。地面の中に立てた柱が家を支えている状態です。費用は建物の床面積とコンクリート柱の数、打ち込む柱の深さによって変動します。
■表面部分は「表層改良」
「表層改良」では地面から2m以内の浅い層を強化します。土を掘り起こしてセメントを流しいれ、掘った土はそのあと戻して混ぜ合わせるようです。最後は重機で固めて完成となります。工期が短いことと費用が安いことが特徴です。費用は土地の面積によって変動します。
■土地の強度アップは「小口径鋼管杭工法」
土地の強度アップには「小口径鋼管杭工法」が用いられます。50mm程度の小口の鋼管を地盤へ打ち込むことにより地盤を強化するようです。鋼管を打ち込むだけの工法なので、工期も短く済みます。費用は打ち込む面積や鋼管の素材によって変動します。
地盤改良に必要な費用は?
地盤改良工事の費用は工法によって変わるようです。20~30坪の住宅を想定した場合、先ほど紹介した工法で説明すると、「柱状改良」は100~150万円程度が相場です。「表層改良」は、55~100万円程度、「小口径鋼管杭工法」は70~200万円程度となります。
現場や道路状況によって費用は変動するため、必ず見積もりを取ってから決めましょう。近くに工事用の車を止めるスペースがない場合は駐車場を借りる必要もあり、工事以外に費用が発生する場合もあります。業者によって費用は異なるため複数の業者に見積もりを依頼し、納得できる内容を提案した業者に任せましょう。
地盤改良の必要性や建て替え時にも必要かどうか、地盤改良工事の種類と費用について解説しました。記事内で紹介したように、最近の新築住宅は耐震性を高めるための構造により家全体が重くなっています。昔ながらの工法で建てられた和風の住宅を比べると、かなり差があるでしょう。「もともと家が建っていたのだから大丈夫」「この辺の土地は地盤が頑丈だと聞いている」と過信せず、まずは地盤調査を依頼しましょう。